ダイエットをしている人なら一度は聞いたことがあるであろう「プチ断食」「8時間ダイエット」などのダイエット方法は、正式にはインターミッテントファスティングと呼ばれる食事方法です。
今回はインターミッテントファスティングに興味がある方に向けて、プチ断食として話題の「インターミッテントファスティング」について解説していきます。
インターミッテントファスティング(IF)とは
インターミッテントファスティングは直訳すると、断続的な断食という意味です。
1日もしくは1週間単位で断食をする期間と食べる期間を作る食事法のことです。
厳密にはインターミッテントファスティングはダイエットのためのというよりは、食事のスタイル、習慣といったイメージが強いです。
断食時間以外の食事は原則として好きなものを食べることができるのが、インターミッテントファスティングの一番の特徴です。
インターミッテントファスティングの効果とは
- 体重の減少 体脂肪の減少
- 血糖値の減少 2型糖尿病の予防
- 心疾患のリスク低下
- 脳の健康 神経細胞の成長を助け、アルツハイマーから保護
人間はファスティング中、男性ホルモンの一種であるテストステロンの値が増加するという研究結果があります。
成長ホルモンは、脂肪の燃焼の手助けをし、テストステロンの値が上昇することで筋肉がつきやすい状態になります。
またファスティング中は食事以外のことに時間を使えるため、朝の貴重な時間を効率的に使えます。
ファスティング中に食べて良いもの
ファスティング時間中は、水やお茶、無糖コーヒーなどのノンカロリー飲料は口にしてもOKです。
水分はダイエットにおいて大切な役割を果たします。インターミッテントファスティングに限らず積極的に摂取をしましょう。
またコーヒーやお茶に含まれるカフェインは脂肪の燃焼に効果があります。そのため、朝起きたら水で水分を補給し、運動や活動前に1杯のコーヒーを飲むのがベストです。
ファスティング中にBCAAは摂取していいのか
ファスティング中にBCAA(必須アミノ酸)のドリンクは飲んで良いのか?という質問をいただきます。
結果、インターミッテントファスティング中はBCAAの摂取は避けた方が良いでしょう。なぜかというとBCAAに含まれるロイシンという物質がインスリンを上昇するという研究があるからです。
BCAAは筋肉の分解を防ぐ効果があり、筋トレやダイエット中に使用する方も多いと思います。
しかし、インターミッテントファスティング中のBCAAの摂取はファスティングの効果を妨げるため摂取を控えた方が良いでしょう。
カタボリックの心配はいらない
インターミッテントファスティングでの心配点でよくあるのが、断食したら筋肉が分解されてしまわないかということです。
いわゆるカタボリックと呼ばれ、栄養不足により筋肉がされてしまうことを指します。
詳しくは食事をしないと筋肉が分解してアミノ酸を生成することをカタボリックと呼びます。
筋トレをしている人は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。筋トレを行なっている人はカタボリックを恐れて、こまめに栄養補給をします。
しかし、こちらの研究では40時間断食を行っても筋肉量に変化はなかったとされています。
またカタボリックが起こるのは何も食べなくなって48時間後という研究結果もあるためカタボリックの心配はいりません。
しかも断食中は成長ホルモンが上昇するため、筋分解どころか筋肉はつきやすい状態になるのです。
参考資料:Actions of short-term fasting on human skeletal muscle myogenic and atrogenic gene expression
インターミッテントファスティングの種類
インターミッテントファスティングにはいくつか種類があります。その中でも有名なものを6つ紹介します。
- 16/8メソッド
- 5:2メソッド
- Eat-Stop-Eat
- Alternate-Day Fasting
- The Warrior Diet
- Spontaneous Meal Skipping
16/8メソッド
リーンゲインズ法とも呼ばれ、最もポピュラーな方法です。16時間断食を行い、残り8時間で1日に必要なカロリーを摂取します。
食事の制限はないため、食べる時間は好きなものを食べてよいという方法です。
例えば、夕食を20時に食べ終わった場合。次の食事は次の12時以降ということになります。16/8メソッドでは朝食が抜かれる場合が多いです。
朝食を抜くと考えると管理はしやすいですよね。
5:2メソッド
次に5:2メソッドは、週5日は普通に食事を行い、残りの2日は1日500-600カロリーで抑えます。
週5は通常の食事ですが、週に2日は600キロカロリーに抑える必要があるため、初めてインターミッテントファスティングを行う方にはおすすめしません。
- 月:通常の食事
- 火:通常の食事
- 水:600キロカロリーの食事
- 木:通常の食事
- 金:通常の食事
- 土:600キロカロリーの食事
- 日:通常の食事
Eat-Stop-Eat (イートストップイート)
週に1回から2回 24時間の断食を行います。
今日の18時から翌日の18時までといった形です。こちらも24時間の完全な断食を行うため、あまりおすすめではありません。
Alternate Day Fasting (オルタネイトデイファスティング)
普通に食べる日と断食する日を交互におこなう方法です。断食中は摂取カロリーを500キロ以内に抑えます。
こちらも5:2メソッドと同様にかなり低カロリーな日があるため、最初は少し大変な方法だなと思います。
月:通常の食事
火:500キロカロリー以内の食事
水:通常の食事
木:500キロカロリー以内の食事
金:通常の食事
土:500キロカロリー以内の食事
日:通常の食事
The Warrior Diet (ザウォーリーダイエット)
The Warrior Diet は日中は生野菜や果物を食べ、夜は大量の食事をする方法です。
直訳すると戦士の食事となるThe Warrior Dietは、日中20時間は素早く栄養摂取をして、夜の4時間はごちそうを食べるというスタイルです。
原始的な先祖が狩りや集まりに時間を費やし、夜はごちそうだという考えに基づいています。
こちらはやりやすいのでおすすめです。
Spontaneous Meal Skipping(突発的な食事のスキップ)
都合の良い時に、食事をスキップ。自発的な断食を行います。空腹を感じないか、忙しくて調理して食べることができないときに、食事をスキップします。
その時の主観で判断できるため管理は簡単な方法です。
ただし、都合のいい時という曖昧な指標によって食事を判断するため、食事のスタイルがばらつきがあり安定しないというデメリットはあります。
この中で現実的なものは
- 16/8メソッド
- the warrior diet
- spontaneous meal skipping
この3つではないかと思います。他の方法は断食期間が長すぎて初心者にはオススメできません。
もちろん慣れてきたら試してみるのはありかと思いますが最初は上記の3つから試してみましょう。
また、もしも他の方法を試してみたいのであれば段階的に以下の順番で試していくとストレスなく取り入れられるかと思います。
徐々に断食期間が伸びていくイメージです。
- 5:2メソッド
- Alternate Day Fasting (オルタネイトデイファスティング)
- Eat-Stop-Eat (イートストップイート)
初めてインターミッテントファスティングを実践される方へ
初めてインターミッテントファスティングを実践される場合には、16/8メソッドをオススメします。
16時間の断食時間には寝ている時間も含まれるため、8時間睡眠をする人は活動中の断食時間は8時間となります。
また最初は断食時間を12時間ほどから始め、14時間、16時間と伸ばしていくなど段階を経て進めていけるのも16/8メソッドの良いところです。
女性はホルモンバランスの関係から長時間の断食は推奨されません。16/8メソッドを行う場合は、断食の時間は12~14時間に調整しましょう。
インターミッテントファスティングは万人に向いている食事法ではない
インターミッテントファスティングはルールがシンプルで実践しやすい食事法です。
しかし、万人向けの食事法ではないため注意が必要です。
以下インターミッテントファスティングに向いている人、向いていない人、控えた方がいい人を解説します。
インターミッテントファスティングに向いている人
1.男性
男性は女性に比べて、空腹によるホルモンバランスの関係を受けづらいことからインターミッテントファスティングの効果を得やすいと言われています。
2.食事がコントロールしやすい環境にいる方
断食中は食べない時間というものが存在します。
お付き合いなどで食事が少なく食事を自分でコントロールできる方にもインターミッテントファスティングは向いています。
3.新しい環境に適応しやすい方
普段3食食べていた方からすると、インターミッテントファスティングは新しい習慣となります。
これはインターミッテントファスティングだけの話ではありませんが、新しい環境に適応しやすい方の方がダイエットは成功しやすいです。
4.厳しい食事制限ができない方
Iインターミッテントファスティングでは断食時間以外の残りの時間は好きなものを食べて良いとされています。そのため、厳しい食事制限が我慢できない方におすすめです。
インターミッテントファスティングに向いてない人
1.女性
女性はホルモンバランスの影響を受けやすいため、断食により生理不順などの症状が現れる場合があります。そのため、体に異変を感じたら速やかに中断することが大切です。
2.食べないことに惨めさを感じる人
また食べないことに惨めさを感じる方もIFには向いていません。
食べないということに対して感じるストレスが大きいとダイエットにも精神にも良い影響を与えません。
無理な断食により摂食障害などを引き起こす可能性もあるため、ストレスを感じる場合、IFは向いていないかもしれません。
3.8時間では1日分の摂取カロリーを食べきれない人
IFでは食べる時間が限られています。
そのため限られた時間で摂取カロリーを取りきれない方はIFは大変に感じると思います。
インターミッテントファスティングを控えた方がいい人
健康を害する可能性があるため下記に当てはまる方はインターミッテントファスティングの実施を控えてください。
1.血圧が低い方、血糖調整に問題のある方
血圧の低い方、血糖調整に問題がある方は断食を行うことで症状を悪化させてしまう可能性があるためIFの実践は控えましょう。
2.生理不順や無月経などの症状がある場合、摂食障害の既往がある方
生理不順や無月経、摂食障害などの症状がある方も症状を悪化させる可能性があるため控えた方がよいです。
3.妊娠している人
また妊娠をしている方は、IFに限らず妊娠中のダイエットは胎児の発育のために控えた方がいいでしょう。
どんなダイエット法においても体調に異変を感じたら、一度中止をして様子を見ることが大切です。
インターミッテントファスティングは新しい食事法であり、ライフスタイル
インターミッテントファスティングは時間を決めたプチ断食で無理なく減量できる食事法です。ファスティング中は成長ホルモンの値が上昇するため筋肉の合成、脂肪の燃焼効率がアップします。
またファスティング中は食事以外のことに時間が使えるため、空いた時間を効率よく使用できます。
そのため、糖質制限やカロリー制限というダイエット食や食事制限というよりは、新しい食事法やライフスタイルという捉え方が正しいかと思います。
インターミッテントファスティングの注意点としては、女性は空腹によるホルモンバランスの乱れる可能性があるため、12時間以上のファスティングは避けるようにしましょう。厳しい食事制限はできないけど、体型は維持したいという方は是非試してみてください。
初めてのダイエットでの導入に使用するのもおすすめです。慣れてきたら本格的なカロリー計算に移行してみましょう。