始めて糖質制限をするんだけど正しいやり方が分からないな。ごはんやパンなどの炭水化物を抜くだけでいいのかな?糖質制限の正しいやり方が知りたい!
この記事ではこんなお悩みを解決します。
近年、大手パーソナルジムの影響で糖質制限ダイエットが流行っています。
基本的なやり方は「ご飯やパンなどの主食を制限するだけ」と簡単でダイエット初心者の方で始めやすいのが特徴です。しかし、糖質制限にはいくつか大切なルールがあります。
この記事では糖質制限のメリット、デメリットに触れながら、カロリーの計算方法や正しいやり方まで細かく解説していきます。
糖質制限とは
まず糖質制限とは、三大栄養素である炭水化物に多く含まれる糖質を抑えて、総摂取カロリーをコントロールする食事法です。
日本人の食生活は60%が炭水化物と言われており、日常から過剰な摂取をしている人が多い栄養素です。そのため炭水化物を抑えて糖質を制限することが勧められています。
糖質=炭水化物ではない
一つ目の注意点は糖質=炭水化物ではないということです。糖質=ごはんやパンなどの炭水化物のことをイメージしがちですが、これは少し違います。
炭水化物とは、炭水化物 = 糖質 + 食物繊維のことです。
食品の栄養成分表をよく見てみると
食品成分表示
- 炭水化物〇〇g
- 糖質〇〇g
- 食物繊維〇〇g
上記のように記載されていることがあります。
これは炭水化物(糖質〇〇g+食物繊維〇〇g)ということを表しているのです。
成分表に注意する
糖質=炭水化物ではないということはこんな時に注意が必要です。例えば、わかめやこんぶなどの海藻類は糖質が低い食品です。しかし成分表を見てみると、炭水化物が高く表記されています。
なぜなら海藻は糖質量は低い食材ですが、食物繊維が多いため、炭水化物の表示が高くなります。わかめは糖質制限中に食べてもいい食材ですが、糖質=炭水化物だと思っていると食品選びを間違えがちです。
糖質制限の2つの種類
糖質制限には、大きく分けて2つの種類があります。
- 緩やかな糖質制限
- ケトジェニックダイエット
1.緩やかな糖質制限
緩やかな糖質制限は、糖質を完全にカットするのではなく糖質の摂取量を減らしていくことで総摂取カロリーをコントロールする食事法です。
主に、ごはんやパン、麺類などの主食の摂取を控えます。ルールがシンプルで始めやすいため、ダイエットをやろうと思った方の多くが一度は試したことがあるかもしれません。
この記事では主にこの緩やかな糖質制限について紹介していきます。
2.ケトジェニックダイエット
2つ目はケトジェニックダイエットと言われる方法です。
ケトジェニックダイエットでは糖質を控えるのではなく完全にカットします。糖質を完全にゼロにすることで体内で第3のエネルギー源であるケトン体が作られます。するとそのケトン体をエネルギーにして身体を動かすことができるケトーシスという状態になります。
ケトジェニックダイエットでは体内の脂肪をエネルギーとして効率的に消費できるため、大変優れたダイエット方法と言われています。しかし、効率的な反面かなり徹底した食事管理をする必要があります。
ケトジェニックについてはこちらの記事をご覧ください。
緩やかな糖質制限に向いている人
- 初めてダイエットする方
- 炭水化物の過食によって太ってしまった方
- お腹がぽっこり出ている内臓脂肪型
- 健康面で体重を下げる必要がある方
- 栄養の計算が面倒くさい
- ダイエット中でもステーキが食べたい
緩やかな糖質制限は、腹筋をバキバキにして、身体作りをしたいという方よりも、過体重もしくは、肥満から普通体型を目指す方向けです。
食事のルールがシンプルで始めやすく、初めてダイエットをする方にもおすすめです。
緩やかな糖質制限のメリット
緩やかな糖質制限のメリットを見ていきましょう。
手軽に始められる
糖質制限は基本的には糖質が含まれる炭水化物を控えることでカロリーをコントロールします。そのため、ルールが簡単でダイエット初心者の方でも始めやすいです。
比較的管理が簡単
これも手軽に始められると似ていますが、糖質制限の基本的な食事管理は糖質を控えることです。ご飯やパン、麺類などの主食を控えるということなのでイメージがしやすく外食でも食べていいものと悪いものの判断がしやすいのがメリットです。
ご飯も食べられる
緩やかな糖質制限では完全に糖質をカットするのではなく、糖質を控えるので計算したバランス中であればご飯も食べることができます。
だいたい1日にご飯1杯くらいは食べられることでしょう。
焼肉やステーキが食べられる
糖質制限中は糖質は控えますが、その分脂質を摂取することが大切です。そのため、焼肉やステーキは食べることができます。
もちろん、カロリーはオーバーしないように食べ過ぎは禁物ですが、一般的なカロリー制限である脂質制限では焼肉やステーキは制限の対象のため、糖質制限だけのメリットです。
緩やかな糖質制限のデメリットと解説策
緩やかな糖質制限にはデメリットもあります。しかし対策をすることでデメリットは解決することができます。緩やかな糖質制限のデメリットとその解決策を見てきましょう。
空腹を感じやすい
緩やかな糖質制限はケトジェニックダイエットと比べて空腹を感じやすいです。
しかし、これはどんなダイエットでも同じことが言えるため、ダイエット中にお腹が空くのは特別なことではありません。
解決策:たんぱく質と脂質を摂取する
糖質制限中は糖質を控えている分、たんぱく質と脂質をしっかりと摂取しましょう。
たんぱく質は全体カロリーの30%以上摂取すると空腹を抑えることができます。反対に15%以下だとどんなに食べても空腹を抑えづらいため、たんぱく質の量は大切です。
また糖質制限中は脂質がエネルギー源となるため、脂質も摂取することが大切です。脂質は腹持ちがよく少量でもお腹が満たされやすいため、積極的に取るべきです。
アーモンドなどナッツ類を間食として利用しましょう。
リバウンドしやすい
これは糖質制限に限ったことではありませんが、過度なダイエットや筋肉量を減らすダイエットはリバウンドが起きやすいです。糖質制限でよくあるミスとしては、ご飯や麺類などの糖質を控え出すと、食べることが自体が悪いことと思ってしまい、食べる量がだんだん減っていくことです。
食べる量が減っていくと大切な筋肉量を維持することができなくなり、体重は落ちますがすぐにリバウンドしてしまう身体になってしまいます。
解決策:しっかり食べて無理なく痩せる
リバウンドしないためには無理な計画を立てずに、しっかりと食べて痩せることがポイントです。理想は1ヶ月に現在の体重の5%を目標にダイエットします。体重が60kgの場合は3kgという計算です。
このペースでダイエットができると筋肉を落とさずに脂肪だけを落とす無理のないダイエットができます。
糖新生が起きやすい
糖新生とは体が栄養不足になった時に、筋肉を分解してエネルギーを作り出す仕組みのことです。ダイエットで大切な筋肉が失われる可能性があるのはダイエットによってデメリットです。
解決策:間食を利用する
糖新生が起きる原因は栄養が足りない状況です。そのため食事をこまめに摂取することで解決できます。アーモンドやプロテインなどを間食として食べることで空腹を抑えられて糖新生も防ぐことができます。
次は栄養バランスについて見ていきましょう。
糖質制限のおすすめのPFCバランス
PFC(三大栄養素)のバランスについては、様々なやり方がありますが、ここではベーシックなやり方をご紹介します。
糖質制限のPFCバランスは「PFC=3:6:1」を目指しましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、身体を作る上で欠かせない栄養素です。どんな食事法においても必要となってきます。
タンパク質はPFC=3:6:1の3と設定されています。これは1日の総摂取カロリーの30%をタンパク質で摂取しましょう。という意味です。
ダイエットにおいてたんぱく質は体重1kgあたりの1.6g〜2gを目安に摂取するとダイエットの効果が高まると言われています。全体カロリーの30%はだいたい体重の2倍の量になります。
例えば、体重70kgの人の場合は、2倍は140gとなります。
また運動を行わない場合は1.2gほどでOKです。体重70kgの場合84gほどです。
脂質
通常の食事よりも多めに摂取しましょう。脂質はできるだけ摂取するようにします。脂質は全体カロリーの60%を目指しましょう。
糖質制限を行うと、糖質を抑えるのと同時に脂質までカットしてしまう方が多くいます。しかし、脂質をカットしてしまうと、体を動かすエネルギーがなくなり糖新生がおこります。
三大栄養素の2つ以上の栄養を制限してしまうとダイエットは失敗します。そのため、糖質制限中は適度に脂質を取る必要があるのです。アーモンドなどのナッツ類、オリーブオイルや魚の油などから摂取をしましょう
炭水化物
糖質は全体カロリーの10%ほどに抑えるようにしましょう。少し厳しめの設定ですが、日本人の食生活ではこれくらいを目指しても最初は少しオーバーしてしまうでしょう。
そのため、上限は30%と考えています。初めて糖質制限を行う方は低めを目指してちょうどいい摂取量になると思います。30%だと総摂取カロリーが1500kcalの場合、450kcal分を糖質から摂取します。つまり、糖質目標は112gです。
これは1日2回、おにぎり1つ分ほど食べられる計算です。10gの場合は、主食は全カット、根菜類も気をつけるといった感じです
糖質制限のカロリーの計算方法
PFCバランスが分かったら1日にどのくらい食べるのか、総摂取カロリーから数値を計算してみましょう。
1日に必要な総摂取カロリーを求める
ステップ1:基礎代謝を求める
まずは、基礎代謝を求めます。基礎代謝を求める方法は2つ
【体組成計で測定する】
一般的な体組成計は、体重、身長、年齢を入力して、測定を行うと体重、体脂肪、筋肉量、水分量、BMI、基礎代謝、身体年齢などが測定できます。
体組成計をお持ちの方は、測定をおこない基礎代謝を確認してください。
【計算式で求める】
体組成計がない方は、計算をして求めましょう。
ハリス・ベネディクト方程式を使って計算してみましょう。
男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736
計算が大変という方はこちらのサイトを利用してみてください。身長、体重、年齢、性別を記入すると自動で計算してくれます。
ステップ2:活動代謝を求める
基礎代謝が分かったら、次は活動代謝を求めます。活動代謝とは、1日に消費する総カロリーのことです。基礎代謝に身体活動レベルをかけて求めます。
- 運動量:低い1.3(1日のほとんどが座位、または静的な活動が中心)
- 運動量:普通1.5(仕事での移動や立位での作業、接客、あるいは通勤、買物、家事、軽い運動)
- 運動量:多い1.9 (移動や立位の多い仕事、スポーツや活発な運動習慣をもっている)
基礎代謝が1600kcalで運動量が普通の場合は1600×1.5=2400となり、活動代謝は2400kcalとなります。
ステップ3:活動代謝からマイナス〇〇kcalしよう
基礎代謝からマイナス500kcalをして、健康的に痩せましょう。
※体脂肪を1kg減らすためには、7200kcalのマイナスが必要になります。そのため、活動代謝から500kcalマイナスすると、1週間で3500kcalマイナスになるため、2週間で約1kg痩せることができる計算です。
基礎代謝1600kcal 身体活動レベル1.5を例に考えていきましょう。基礎代謝に身体活動レベルをかけます。
1600kcal × 1.5 = 2400kcal
この場合、活動代謝は2400kcalとなります。ここから500kcalをマイナスすると
2400kcal – 500 = 1900kcal
1日の総摂取カロリーの目標は1900kcalとなります。このカロリーを守ると計算上は2週間に1kgくらいのペースで痩せることができます。
総摂取カロリーからPFCバランスを求める
総摂取カロリーが分かったら、PFCバランスを当てはめてみましょう。
PFCバランスの確認です。糖質制限のPFCバランスは「PFC=3:6:1」を目指しましょう。
体重60kg 総摂取カロリーが1500kcalの場合を例に計算していきます。
たんぱく質
たんぱく質は、全体カロリーの30%です。
1500×0.3=450kcalとなります。
たんぱく質は1gあたり4kcalのため
450÷4=112g
体重の2倍を目安にすればだいたい同じ数値が求められます。
60×2 =120g 面倒な場合はこちらでもOKです。
炭水化物
糖質は、全体カロリーの10%を目安にするため
1500kcal ×0.1=150kcal
炭水化物も1gあたり4kcalのため
150kcal ÷4=37gとなります。
脂質
残りのカロリーを脂質に当てましょう。
1500kcal −(450kcal +150kcal )=900kcal
脂質は1gあたり9kcalのため
900kcal ÷9=100gとなります。
まとめると、緩やかな糖質制限のPFCバランスは下記の通りです。
このバランスで食事を組み立てていきましょう。
- P 120g
- F 100g
- C 37g
糖質制限で食べられるもの・食べられないもの(控えるべきもの)
糖質制限は主に炭水化物を控えるのですが、食べられるものと食べられないものを具体的にご紹介します。
糖質制限で食べられないもの(控えるべきもの)
まずは食べられないものからご紹介します。完全にカットする必要はありませんが、控えるべき食品です。
- 穀物:白米、玄米、お餅
- 麺類:うどん、そば、ラーメン、パスタ、そうめん、きしめん
- イモ類:さつまいも、じゃがいも、里芋
- 根菜類:人参、玉ねぎ、ごぼう
- その他:砂糖、デザート、清涼飲料水、お菓子
糖質制限中は食品栄養成分表を見て糖質量が5g以下の食品であれば心配なく食べられます。1食品あたり10g以下であれば許容範囲です。10gを超える食品を食べる場合は1日を通して調整する必要があります。
茶色い炭水化物は食べてもいい?
茶色い炭水化物とはそばや玄米のことを指します。そばや玄米はGI値が低く食べても血糖値が上がりづらい食品です。
そのため、糖質制限中にどうしても炭水化物が食べたい時は茶色い炭水化物を選ぶようにしましょう。
糖質制限で食べられるもの
糖質制限に限らずダイエットではたんぱく質を中心に食事を組み立てます。糖質制限で食べれるものは以下の通りです。
糖質制限は正しい方法で行えばしっかりと痩せられる
緩やかな糖質制限のPFCバランスは「PFC=3:6:1」を目指しましょう。
- たんぱく質 体重の2倍 全体カロリーの30%
- 炭水化物 全体カロリーの10%
- 脂質 残りのカロリー(60%) できるだけ多くする
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